徹歴瓦版

2004年12月の日記

2004年12月23日(木)
日本防衛問題 発信..
日本防衛問題 発信者:一ノ風
2004年10月初旬

小泉首相が沖縄の米軍基地について、沖縄の負担軽減のため米軍基地の本土移転の可能性もありうると示唆した。沖縄の大学に米軍のヘリが墜落したりして、沖縄での米軍基地反対運動が盛り上がってきたこところではあったが、ことアメリカ軍のこととなると徹底的に追従する小泉首相としてはかなり電撃的でありまた異色の発言である。

僕はこの小泉首相の発言を衝撃を持って受け止めた。これで、これまでの外交における小泉首相の政策方針は明確に一本の線となり、僕の予想と不安を裏付けることになった。

新聞社各紙はこのニュースを大きく報じていたものの、それらのほとんどはありきたりな沖縄の基地問題と絡めてのものだった。しかし、僕が考えるにことの本質はそこではない。注目しなくてはいけないのは、「本土移転の可能性」という部分なのである。そもそも日米ガイドラインの改訂など日米方針の軍事的転換を強力に推し進めている小泉政権が、衆院選も近く選挙のことも想定しなくてはならないこの時期にあって、沖縄県民だけ(沖縄県民の方にはホントに申し訳ないが)が関心があり、本土の人間のほとんどが関心のないこのテーマについて、今になって真剣に取り組むわけがない。

そこには何か裏があると考えるべきである。それも、森→小泉首相間になされた、日本とアメリカとの間の二国間協定の内容を考えれば、おのずと予想できるものである。まあ、はっきり言ってしまえば、日本の本土内の防衛戦略における軍事化とアメリカ軍との明確な連帯である。いままでは、アメリカ軍への物資供給などをメインに日米の防衛関係を想定してきたが、二国間協定の内容の変更点や新しい点などを見るに、両国がもう一つ高い次元で協力関係を築こうとしていることは、けっして予想できないことではない。

不気味なことに、この前後に、アメリカの国防筋や情報関係はこの首相のコメントに対し、はっきりとした声明を出していない。本来なら、大きく取り上げてしかるべきなのにだ。もちろん、マスコミの扱いに関しては天才的である小泉首相のこと、なにかしらの裏を取ってあるのだろう。

その後、この問題に関連するような続報は入ってこないかな、と思ってたら、同月8日、防衛庁の守屋次官が「日本から米軍に物品や役務の供与をできるようになったので、米国自身が日本にその能力を持っていなくても、日本に頼ることは可能だ」と日本記者クラブの取材で答えた。うーん、現段階ではなんともいいがたいけど、確実に防衛庁はこの方針でいくんだろうな。

さて、このトピックには続きがある。

上の小泉首相の発言を受けて、同月2日に民主党党首の岡田さんは三重県での記者会見でこんなことを述べているのである。朝日新聞から抜粋

「本当に実現できる見通しがあって言われるのならいいが、一般論だとしたら極めて無責任と言われても仕方がない」と述べ、移転の具体案を示すべきだとの考えを示した。
【朝日新聞】

この報を読んだときにはあきれ返ってしまった。

同時に、もう僕は民主党を支持することを止めることを決めた。少なくとも岡田さんが党首やってる間は。外交関係に関しては、いくつかの失策があるものの、小泉首相初めそのブレーンはかなり優秀であるといわざるを得ない。なかなか表立ってニュースとならないが、小泉首相になってからの外務省及び外交関係の活躍は相当なものだ。

しかし、民主党は先の岡田さんの発言を見る限り、もう絶望的だね。自分の発言がどういうことを意味するのかさえも分かっていないんだろう。元から少ない塩を敵に送りすぎだよ、あんたらは。そりゃ、鳩山さんを外相候補にするわな。

小泉さんは本土に移転しちゃうかも〜、とは発言したものの、具体的にどこにやるとは一度も言っていないし、そんなこと絶対に言うはずもない。そんなことしたら、名指しされた地域には一気に基地反対の声が荒れ狂うだろうし、下手したら政権自体が崩壊しかねない。また、首相はその発言の中で、可能性を示唆しただけなのである。もしかしたら沖縄はそのままにすることだってありうる。それを岡田さんはあんな発言してしまって、のちのち自分たちは本土移転反対です、なんていえるはずない。

ここは、首相の発言を受けて

「沖縄の人々の苦しみは民主党も重大に受け止めているし、解決しなければならない問題と考えている。首相は軽々しく本土移転などというが、国際情勢の変化も考え新しい日本の防衛のあり方を今こそ模索するべきではないか、と民主党は考える」

くらいは野党として言って欲しいものだ。
2004年12月23日(木)  No.23

一ノ風  2004/12/23/23:56:24   No.24
その後の続報

しばらくこの問題に関して注目してニュースを追っていたんだけど、途中新潟大地震、イラク人質問題などが起こり、こちらのほうのニュースにマスコミが視線を集中してしまい、たいした情報は流れてこなかったが、12月22日付けの読売新聞において注目すべき記事を発見。

報道関係のつたえるところでは、自民党の日米安保・基地再編合同調査会は22日午前、在日米軍基地の再編に関する論点整理を公表。 この調査会は額賀さんが座長(座長ってなんだ?)。

その論点整理の中で、今後の自衛隊とアメリカ米軍の関係方針を明らかにしている。
箇条書きすると
〈1〉抑止力の維持と在沖縄海兵隊削減を両立させるための代案検討
〈2〉軍事的必要性の低下した基地の返還、自衛隊と米軍との基地の共同使用、一部飛行場の軍民共用化
〈3〉日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の見直しの検討

にまとめられるらしい。まあ、方針としては2と3が注目に値するだろう。沖縄の基地返還となると、どこで飛行機を離着陸させるかという問題が一番に浮上する。仮定の話だけども、もし米軍機が日本の飛行場から飛び立つようになれば、その日本の飛行場が攻撃されるのは現代国際法に照らし合わせても文句の言えないところだろうな。3に関しては、法整備の必要な問題なので、大火事の起きないように衆院選が終わるまではこのまま論点として温存されるだろうな。

同じく調査会の公表で、日本の安全保障政策に関して、自衛隊の海外派遣のための恒久法の検討や新たな日米安保共同宣言の必要性にも言及したらしいが、これはいつものことなので。自衛隊海外派遣法自体は既成事実が先行してしまいましたね。悔しいところです。

一ノ風  2004/12/23/23:59:35   No.25
これからの徹歴瓦版はこんな感じで行こうかと思いますが、疲れるし、最近僕の専門分野でも面白いニュース(EU憲法、ロシアの京都議定書批准、日本の常任理事国入り運動など)が多いので、そんなに頻繁には書いてられないと思います。月一ぐらいが目標かな。

引き続き、この瓦版の編集者求めます

一ノ風  [E-Mail]  2005/01/04/05:21:17   No.26
さらに続報

1月3日付けの琉球新報が伝えたところによると、1月2日までに、なんと山崎首相補佐官が琉球新報の単独インタビューに応じ、普天間基地の分散移転や移転方法などについて言及したと報じている。小泉首相はじめブレーンの情報がこの人を素通りするとは考えづらいので、かなり確実な情報と見ていい。

http://www.ryukyushimpo.co.jp/news01/today/050103a.html

記事を見てもらえれば分かるとおり、かなりとりうる手段の選択肢を限定するくらいまで幹部の間では言っているらしいことが分かる。僕が特に注目したのが、山崎さんが再編協議が整う時期について質問された際に「小泉政権はあと1年9カ月ある。その間だ」と述べたことだ。人によって見方は違うだろうが、僕には何かとてもこの1年9ヶ月という期間を限定したことが、基地移転問題を内閣が急いて押し進めているように思える。経済関連のことはともかくとして、ここのところ支持基盤を拡大しているように見える自民党の勢いが変わるとも思えないし、何を急いでいるのだろうか。もう一つ今後注目しなくてはならないのが、アメリカ合衆国の動向だ。大統領選挙も終わりあと4年間の大統領期間が確保されたブッシュ陣営もそろそろ本格的に活動を始めるだろう。対中国の問題を考えると普天間基地はじめ沖縄米軍基地問題は重要な意味を持ってくる。これからどのように出てくるのか、注意したいところだ。

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