2004年10月初旬
小泉首相が沖縄の米軍基地について、沖縄の負担軽減のため米軍基地の本土移転の可能性もありうると示唆した。沖縄の大学に米軍のヘリが墜落したりして、沖縄での米軍基地反対運動が盛り上がってきたこところではあったが、ことアメリカ軍のこととなると徹底的に追従する小泉首相としてはかなり電撃的でありまた異色の発言である。
僕はこの小泉首相の発言を衝撃を持って受け止めた。これで、これまでの外交における小泉首相の政策方針は明確に一本の線となり、僕の予想と不安を裏付けることになった。
新聞社各紙はこのニュースを大きく報じていたものの、それらのほとんどはありきたりな沖縄の基地問題と絡めてのものだった。しかし、僕が考えるにことの本質はそこではない。注目しなくてはいけないのは、「本土移転の可能性」という部分なのである。そもそも日米ガイドラインの改訂など日米方針の軍事的転換を強力に推し進めている小泉政権が、衆院選も近く選挙のことも想定しなくてはならないこの時期にあって、沖縄県民だけ(沖縄県民の方にはホントに申し訳ないが)が関心があり、本土の人間のほとんどが関心のないこのテーマについて、今になって真剣に取り組むわけがない。
そこには何か裏があると考えるべきである。それも、森→小泉首相間になされた、日本とアメリカとの間の二国間協定の内容を考えれば、おのずと予想できるものである。まあ、はっきり言ってしまえば、日本の本土内の防衛戦略における軍事化とアメリカ軍との明確な連帯である。いままでは、アメリカ軍への物資供給などをメインに日米の防衛関係を想定してきたが、二国間協定の内容の変更点や新しい点などを見るに、両国がもう一つ高い次元で協力関係を築こうとしていることは、けっして予想できないことではない。
不気味なことに、この前後に、アメリカの国防筋や情報関係はこの首相のコメントに対し、はっきりとした声明を出していない。本来なら、大きく取り上げてしかるべきなのにだ。もちろん、マスコミの扱いに関しては天才的である小泉首相のこと、なにかしらの裏を取ってあるのだろう。
その後、この問題に関連するような続報は入ってこないかな、と思ってたら、同月8日、防衛庁の守屋次官が「日本から米軍に物品や役務の供与をできるようになったので、米国自身が日本にその能力を持っていなくても、日本に頼ることは可能だ」と日本記者クラブの取材で答えた。うーん、現段階ではなんともいいがたいけど、確実に防衛庁はこの方針でいくんだろうな。
さて、このトピックには続きがある。
上の小泉首相の発言を受けて、同月2日に民主党党首の岡田さんは三重県での記者会見でこんなことを述べているのである。朝日新聞から抜粋
「本当に実現できる見通しがあって言われるのならいいが、一般論だとしたら極めて無責任と言われても仕方がない」と述べ、移転の具体案を示すべきだとの考えを示した。 【朝日新聞】
この報を読んだときにはあきれ返ってしまった。
同時に、もう僕は民主党を支持することを止めることを決めた。少なくとも岡田さんが党首やってる間は。外交関係に関しては、いくつかの失策があるものの、小泉首相初めそのブレーンはかなり優秀であるといわざるを得ない。なかなか表立ってニュースとならないが、小泉首相になってからの外務省及び外交関係の活躍は相当なものだ。
しかし、民主党は先の岡田さんの発言を見る限り、もう絶望的だね。自分の発言がどういうことを意味するのかさえも分かっていないんだろう。元から少ない塩を敵に送りすぎだよ、あんたらは。そりゃ、鳩山さんを外相候補にするわな。
小泉さんは本土に移転しちゃうかも〜、とは発言したものの、具体的にどこにやるとは一度も言っていないし、そんなこと絶対に言うはずもない。そんなことしたら、名指しされた地域には一気に基地反対の声が荒れ狂うだろうし、下手したら政権自体が崩壊しかねない。また、首相はその発言の中で、可能性を示唆しただけなのである。もしかしたら沖縄はそのままにすることだってありうる。それを岡田さんはあんな発言してしまって、のちのち自分たちは本土移転反対です、なんていえるはずない。
ここは、首相の発言を受けて
「沖縄の人々の苦しみは民主党も重大に受け止めているし、解決しなければならない問題と考えている。首相は軽々しく本土移転などというが、国際情勢の変化も考え新しい日本の防衛のあり方を今こそ模索するべきではないか、と民主党は考える」
くらいは野党として言って欲しいものだ。
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2004年12月23日(木)
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